ETH Zurich の研究者が来訪
ETH Zurich(スイス連邦工科大学チューリッヒ校)の研究者 2 名が来訪し、メモリシステムに関する研究発表をして頂きました。 ETH Zurich はかつてはアインシュタインも在籍した世界トップクラスの教育研究機関です。
- Nisa Bostanci: “Emerging Covert Channels and Side Channels in RowHammer Defenses and Processing-in-Memory Architectures”
- Ismail Emir Yüksel: “Understanding the Computational Capabilities of Real DRAM Chips and Robustness Issues They Introduce”

Nisa 氏の発表はメモリ内のセキュリティ機構が Covert channel と呼ばれる新たな攻撃に利用されてしまう可能性を示したものです。 具体的にはメモリ内のセキュリティ機構をわざと発動させることで、それによる性能低下を利用して情報をやりとりします。
また Ismail 氏の発表はメモリ内の回路を通常と異なる使い方をすることで NOT 演算や AND 演算を高速、低消費電力で実現するものです。 通常のコンピュータでは計算対象のデータをメモリから CPU に読み出してから CPU 上で計算を行いますが、 Ismail 氏の方法ではメモリからデータを読み出すことなく計算が可能になります。